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インタビュー:茨城大学工学部の教授たちの挑戦
 
「世界の最先端をゆく情報セキュリティ研究」
 
黒澤 馨 教授
情報工学科
 
 
「情報工学」とはどんなことを勉強する分野なのしょうか。
 
デスク   コンピュータとインターネットに関することすべてを勉強します。大きく分けて、理論的・普遍的側面と、最先端技術の部分という2つの側面があります。
  まず、理論的な側面ですが、そもそも「計算するとはどういうことなのか」という問題があります。関数のなかには計算不可能なものがあって、どんなに上手にコンピュータをつくっても計算できないもの、できたとしても1〜2億年かかるものがあります。こうした理論的な内容は、専門学校では学べません。コンピュータの専門学校と大学の情報工学科の違いはここです。
 
  その一方、情報工学科では社会の中で進化し続ける最先端技術、具体的にはC,C++,Javaといったプログラミング言語や、人間生活のインフラとなっている組込みシステムの開発技術、WEBを利用した電子商取引のための基幹技術等、人間と社会に根ざした情報技術についても学びます。しかし、技術の表面的な知識だけではなく、その中にある原理を学び、ソフトウェアからハードウェアまでを総合的に習得することで、次に来る新しい技術を創造する力をつけます。これが大きな目標であり、大学の情報工学科の存在意義です。自ら新しい技術を開発できる能力を身につけてほしいですね。
 
情報工学のなかで「情報セキュリティ」とはどんな分野ですか。
 
  身近な例をいくつか挙げてみましょう。Suicaカードには、誰がどの区間、何ヶ月の定期かという情報が入っています。1ヵ月定期を1年に改ざんされたらJRは大損するわけで、それを防ぐのが情報セキュリティの技術です。また、携帯電話で誰かが私になりすまして通話し、私に課金されたら困ります。これらを防ぐために暗号が使われています。
  また、インターネット・ショッピングでも、クレジットカード番号をそのまま送ると危険なわけですが、ブラウザを開いて下に鍵のマークが出ていれば、それは内容を暗号化して送信しているということです。
 
  暗号というと「守り」のイメージがありますね。戦時下で敵から情報を守るというのも暗号なのですが、現代の暗号には、もっと主体的な側面があります。
  1995年ごろからインターネットが普及し、「サイバーワールド」という仮想的な世界が生まれました。現実の世界と違い、仮想世界では相手が本当に本人であるかを常に確認する必要がある。捺印とか署名などは、通信で行おうとしたとたん難しくなります。選挙もネットで行う場合は、二重投票の防止など新たな問題が生まれます。
  現実の世界で簡単だったセキュリティが、サイバーワールドになったとたん困難になるわけですが、こうした問題を解決するのが現代暗号であり、情報セキュリティと呼ばれる分野の技術です。
 
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