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インタビュー:茨城大学工学部の教授たちの挑戦
 
 
 
先生方が開発した「CMAC」という認証コードについて教えてください。
 
授業   CMACは、2005年5月、アメリカ政府に推奨方式として採用された認証コードです。認証コードとは、ひと言でいうと、「改ざん」や「なりすまし」を防ぐ技術。サイバーワールドでは、相手が確かにその人であるか、通信の内容が改ざんされていないかを常に確かめる必要があります。特にネット上の銀行間取引などでは、非常に重要なポイントです。
  認証コードには、さきほど触れたクレジットカードの暗証番号を送信するときの鍵のマークも関係しています。これはSSLという暗号通信の方法の一つで、いくつかの要素技術の集まりなのですが、その一つに認証コードがあります。
 
  なぜCMACが誕生し、それがアメリカ政府の推奨方式になったか、その背景をわかっていただくために、暗号の歴史からお話しましょう。
  昔「シーザー暗号」というのがありました。AをBに、BをCにと、アルファベット順に1文字ずつずらすと、HALがIBMとなります。もとの文を「平文」といって、変換された方を「暗号文」といいます。また、「アルゴリズム」と「鍵」というのがあって、何文字ずらすかという手順をアルゴリズム、ずらす文字数を鍵と呼びます。
  暗号は外交にさまざまな影響を与えてきました。1921年のワシントン軍縮交渉の際、日本の機密条項は、暗号が解読されていたために英米側に伝わっていました。また山本五十六の戦死やミッドウェイ開戦など、ほかにも日本の暗号が解読されていたという逸話があります。日本は優秀な暗号を使っていたのですが、鍵を頻繁に変えずに使っていたため、解読されてしまったらしいです。
 
  暗号は他のサイエンスと違い、人間の歴史と関わる部分が多々あります。戦争や外交と密接な関係があり、コンピュータの発展と深く結びついています。
  コンピュータがなぜ発達したか、そのモチベーションは暗号だったという見方もできます。普通の教科書をみると、世界初のコンピュータは米ペンシルバニア大学で開発された「エニアック」といわれていますが、実はそれ以前、「コロッサス」というコンピュータが誕生していたことが最近になって分かってきました。これは1943年、イギリスがドイツの「エニグマ暗号」を解読するために作られたのですが、国家機密上の理由から、戦後、英政府が厳重に処分していたのです。  (次のページへ続く)
 
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