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プレスリリース : 環礁国ツバルに最適な生活排水の処理方法を考案 海水中の硫酸塩、潮の干満を利用して低コスト化も実現

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2014年7月15日

茨城大学
科学技術振興機構 (JST)

環礁国ツバルに最適な生活排水の処理方法を考案
~海水中の硫酸塩、潮の干満を利用して低コスト化も実現~


【ポイント】

  • 環礁国のツバルでは、底なしの合併浄化槽、ピット式トイレから汚染水が海岸に流れ出し、その汚染がホシズナ (有孔虫) の生育にも大きな影響を及ぼしていました。
  • 本研究は、こうした生活排水が、海水中の硫酸塩を利用することで処理できることを実験で確かめました。さらに、潮の干満を利用すれば、従来の処理方法と比べてコストがかなり安く抑えられる見込みです。
  • ツバルの底なしの合併浄化槽、ピット式トイレが、工夫すればそのまま有効な処理設備になります。また、これらのノウハウをシステム化した仕組みを特許として出願し、環礁国だけでなく他の開発途上国や日本での適用も模索します。

茨城大学工学部都市システム工学科の藤田昌史准教授らの研究グループは、生活排水に含まれる有機物を分解するため、海水を用いる新たな処理システムを考案しました。このシステムは、生活排水中の有機物を、海水中に含まれる硫酸塩を用いて分解するもので、酸素の少ない状態で行うことから汚泥を出さず、潮の干満を利用して流入・排水を行う機構のため、開発途上国向けの低コスト技術として注目を集めています。

南太平洋の環礁国ツバルでは、フォンガファレ島の狭い土地に行政機関や住宅、ホテルなどが集中し、生活雑排水やトイレなど生活排水の処理には合併浄化槽やピット式トイレなどを用いています。しかし、それらの底部にふたなどはなく、そのまま下排水が土壌中に浸透していく方式でした。

藤田准教授のグループは、東京大学の茅根創教授らSATREPS(次ページ参照)プロジェクトの研究グループから「海岸の水質汚濁と有孔虫の生育の関係を調べて欲しい」と依頼され、2010年春から現地で活動を開始しました。これまでの調査で、汚濁の原因が底なしの合併浄化槽にあり、満潮時に底部から海水が浸透し、干潮時に汚水が漏れ出していることを突き止めました。こうした汚濁が、ホシズナとして知られる有孔虫の生育にも影響を及ぼしている可能性が高いと考えられています。

さらにグループでは、ツバルの環境に適合した生活排水処理システムについて研究を進め、底なしの合併浄化槽をそのまま活かした新しいシステムを考案し、実験室での検証を行いました。海水に含まれる硫酸塩を利用することにより有機物の分解が確かに進むこと、この細菌を担体に吸着させれば海水と一緒に漏出しないことを実証しました。 茨城大学は国内特許を申請し、ツバルのような環礁国だけでなく、衛生施設が普及していない開発途上国や日本の沿岸部でも利用できないか、企業とも相談しながら利用先の模索を続けていきます。


プレスリリース資料


関連リンク


お問い合わせ

【研究に関すること】
藤田 昌史 (フジタマサフミ)
茨城大学 工学部 都市システム工学科  准教授
〒316-8511  茨城県日立市中成沢町4-12-1
TEL : 0294-38-5170   Fax : 0294-38-5268
E-mail : fujita@mx.ibaraki.ac.jp

【報道担当】
茨城大学  広報係
TEL : 029-228-8008

科学技術振興機構広報課
TEL : 03-5214-8404

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