特色ある研究
機械システム工学科田中 光太郎 教授
次世代のエネルギーとして必要になる「カーボンリサイクル」エネルギーに関する研究を推進しています。地球温暖化物質である二酸化炭素の大気中濃度の削減に向け、二酸化炭素を回収し、燃料にして無駄なく使用し、排出した二酸化炭素は再度回収するという技術開発を進めています。カーボンをリサイクルするにはエネルギーが必要なため、現在は、できるだけ消費エネルギーを削減したカーボンリサイクル技術を開発することを目指しています。是非、カーボンリサイクルエネルギーをきっかけに、次世代のエネルギーをどうすればいいか、一緒に考えませんか!

湿度スイング法を用いた二酸化炭素回収装置に用いる吸着材とその評価用基礎実験装置の概要図。現在は年間1トン回収する装置を構築し、実験中。

日本に数台しかない燃料評価用火花点火機関。水素を含めあらゆるガス、液体燃料の機関性能を取得できる。このエンジンを用いてカーボンリサイクル燃料を評価中。
電気電子システム工学科鵜殿 治彦 教授
資源量が豊富な元素を使った新しい半導体を用いて、安心して手軽に使えるエレクトロニクスデバイスを研究しています。最近は、にがりの成分として海水中に多量に存在するMg, 乾電池に広く利用されているMn, 水晶などの形で地殻中存在量の約28%を占めるSiを使ったマグネシウムシリサイド(Mg2Si)やマンガンシリサイド (MnSi1.75-x)に着目して、体温などの廃熱で発電する熱電電池、夜間の監視や自動運転のモニタリング等に利用できる赤外センサの開発を進めています。特に我々の研究室が世界で初めて作製に成功したMg2Si赤外センサは波長2μm域で手軽に利用できる高感度のセンサとして今後の発展が期待されています。


物質科学工学科池田 輝之 教授
「材料」は、構造物や機械の根幹を支えていたり、デバイスの機能を担っていたりと決定的な役割を果たします。材料中には様々なスケールの「構造」があり、材料の特性を左右します。私たちは、構造を制御し望まれる特性を引き出す研究をしています。それには、構造がどのように形成される?なぜ特性に影響する?の理解が不可欠です。

材料に温度勾配を与えると、その方向に電流が生じること(ゼーベック効果)があります。これは温度差発電(熱電変換)に利用できます。廃熱を電気に変えて利用することができ大きい省エネルギー効果が見込まれますし、土の中と地表など、ちょっとした温度差でつくった電気で、外部からの電気の供給なしにさまざまなセンサーを稼働させ、得られる情報を発信すれば高度情報化社会の構築に大いに貢献できるでしょう。

情報工学科米山 一樹 教授
暗号というとスパイ映画など特殊な世界のイメージがあるかもしれませんが、実際には私達の生活に無くてはならないものとなっています。例えば、写真をSNSで共有するとき、その内容は「暗号化」され、当事者にしか見えないようになっています。また、正しいサイトに繋がっていることを「認証」によって閲覧者は確認することができます。本研究室では、暗号理論に基づいた、より安全で安心な「認証付き暗号化通信方式」の研究に取り組んでいます。様々な方式が世の中では利用されていますが、安全性の検証は非専門家には困難です。数学とプログラミングを道具として、誰でも計算機を用いて安全性を自動検証することができるツールを研究しています。



都市システム工学科熊澤 貴之 教授
地域に根差した魅力的な建築都市デザインを創造する
当研究室では、建築デザインの提案をはじめ、建築デザイン案の実現化に向けた社会との関わり、更には実際に施工するプロセスを通したモノづくりとの触れ合い、建築デザインの創造を他者と共感し合うストーリーテラーとしての関与など、建築都市デザインに関わる一連の流れを実践しています。
2017年には、第110回の笠間の菊まつりにおいて、菊の展示空間をデザインしました。写真1は建築図面と模型を用いて、菊まつり連絡協議会に対して建築空間デザイン案のプレゼンテーションを行ったときのものです。写真2は建築空間デザイン案に基づいて、実際に菊の展示空間を施工している風景です。菊まつり開催中、茨大生達は伝統的な菊と空間作品のストーリーテラーとして笠間の街に現れます。

