理工学研究科博士前期課程2年の根本さん、静電気学会トレック賞を受賞
大学院理工学研究科応用粒子線科学専攻の根本大輔さん(博士前期課程2年)が、2015年9月24日、首都大学東京南大沢キャンパスで開催された第39回静電気学会全国大会において、静電気学会トレック賞を受賞しました。この賞は、今後活躍が期待される静電気学会会員の優秀な若手研究者を表彰し、副賞として国際会議での研究成果発表費用の一部を補助するものです。
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トレック賞の賞状を手にする根本さん |
さらに、その補助を受けて、10月18日から22日まで米国ダラス市で開催された米国電気電子学会産業応用分科会年会(IEEE-IAS annual meeting)に出席し、20日午前のElectrostatic Process Committee Sessionにおいて論文の口頭発表を行いました。論文のタイトル、概要は以下の通りです。
【タイトル】
Static Elimination performance of A Corona Ionizer in Nitrogen-Based Electronegative Gases
(窒素ベース負性ガス中のコロナ放電イオナイザの静電気除電特性)
Daisuke Nemoto, Wanting He, Takeshi Matsuo, Naoyuki Sato, Takashi Ikehata (Ibaraki University),
Kazuo Okano (Polytechnic University)
【概要】
半導体やディスプレーなどの電子デバイス製造の現場では、異なる種類の材料の接触・剥離の過程で容易に静電気が発生します。この静電気はデバイスを汚染したり破壊したりするため、周囲の空気から正負のイオンをつくり、対象物の静電気を中和する「イオナイザ」と呼ばれる装置が広く使われています。しかし、最近の有機ELや有機太陽電池などの有機材料は酸化してしまうため空気が使えません。そこで本研究では、空気に代わる雰囲気ガスを提案し、その特性を測定しています。
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IEEE-IASでの講演風景 |
根本大輔さんのコメント
この度は、第39回静電気学会全国大会において、トレック賞を受賞できたこと、大変うれしく思います。私は有機エレクトロニクス製造工程に向けた静電気除電に関する研究を行っています。この技術により、有機デバイス等の製造工程での除電が可能となり、製造歩留まりの向上につながることを期待しています。今回の受賞は、指導教員である池畑隆先生の熱心なご指導や、共同研究者の方々の協力のおかげです。今後はこの受賞を励みに、一層研究に精進していきたいと思います。この度は本当にありがとうございました。
関連リンク
研究者総覧:大学院理工学研究科 池畑 隆 教授 (根本さんの指導教員で、論文の共同執筆者)
(2015年11月4日)