理工学研究科物質工学専攻前期課程2年生の児島さん、第13回日本熱電学会優秀ポスター賞を受賞
理工学研究科物質工学専攻前期課程2年生の児島孝文さん(池田輝之研究室所属)が、2016年9月7日、東京理科大学葛飾キャンパスで開催された第13回日本熱電学会学術講演会にて、優秀ポスター賞を受賞し表彰されました。
同賞は、学術講演会において発表された、熱電科学、工学と技術の発展に貢献しうる特に優秀なポスター論文に対して贈られるものです。


詳細情報
発表題目
一方向に伸びた孔をもつ熱電材料の創製と新しい熱電発電デバイスの可能性
著者
児島 孝文 (物質工学専攻2年)
山崎 拓矢 (マテリアル工学科4年)
池田 輝之 (マテリアル工学科教授)
中嶋 英雄
井手 拓哉
川口 裕美 (ロータスアロイ(株))
概要
本研究では流体を流すのに適した一方向に気孔の揃った多孔質熱電材料を創製し、それを用いた高効率熱発電技術の確立を目指しました。多孔質の熱電材料を作製することができれば、燃焼装置に組み込み、燃料ガスを使用しながら発電する等といった、多孔質の大きな比表面積を利用した新しい熱電発電デバイスへの応用が期待されます。さまざまな温度領域での使用に対応できるよう、シリコン(高温度領域用)およびマグネシウムシリサイド(中温度領域用)を研究対象とし、多孔質化およびドーピングについて検討しました。
その結果
1) 水素雰囲気下での一方向凝固によりシリコン及びマグネシウムシリサイドが多孔質化されること
2) ドーピング元素(シリコン中のホウ素)が孔形成に及ぼす影響が小さいこと
3) 固溶水素が熱電特性に及ぼす影響が小さいこと
が明らかになりました。
児島孝文さんのコメント
この度は、第13回日本熱電学会学術講演会において優秀ポスター賞を受賞できたことを大変光栄に思います。私は「新しい熱電発電デバイスの開発」というテーマで研究を行ってきました。現在取り組んでいる素子材料の創製が、将来、高効率発電デバイスとしての実用化につながることを期待しています。今回の受賞は指導教員である池田輝之先生、また研究室の仲間に支えがあってこそのものです。心より感謝しています。残り少ない大学院生活ではありますが、今後も努力を継続していきたいと思います。