理工学研究科・車谷麻緒准教授と大学院生らが計算工学講演会グラフィクスアワード特別賞を受賞
大学院理工学研究科の 車谷麻緒准教授、博士前期課程1年の加藤匠さん、会田涼太さんの研究グループが、2018年6月7日に愛知県のウインクあいちで開催された第23回計算工学講演会(日本計算工学会主催)で「グラフィクスアワード特別賞」を受賞しました。
受賞作品 | 授賞式の様子(左から車谷麻緒准教授と加藤匠さん) |
グラフィクスアワードは、計算工学講演会論文集に掲載された論文(300~400編)に含まれるコンピュータグラフィックスのコンテンツの中から優秀と認められるものに授与される賞で、最優秀賞・優秀賞・特別賞の3種類があります。車谷准教授らの研究グループが作成したグラフィクスは、先進的な技術を用いて複雑な物理現象をわかりやすく可視化したことが認められ「特別賞」を受賞しました。
研究内容
タイトル : コンクリート内部に発生・進展する3次元ひび割れ進展挙動の再現と可視化
著者 : 加藤匠、会田涼太、車谷麻緒
コンクリートの中には体積率で約60%の粗骨材が含まれており、粗骨材の存在は少なからずコンクリートの力学特性に影響を与えています。粗骨材による影響を調べようとしても実験では内部の様子を観察するのが難しく、数値解析においても粗骨材の形状や分布を再現するのが容易ではありません。実際に、粗骨材まわりに発生・進展するひび割れを定量的に明らかにした研究も見当たりません。そこで本研究では、物理モデルに基づく新しい破壊シミュレーション手法を開発し、わかりやすくするため粗骨材は球形として、コンクリートの内部構造と3次元ひび割れ進展挙動を再現しました。本手法は、材料内部の物理形状とは無関係に生成したメッシュを用いて、物理形状に沿って生成したメッシュを用いた場合と同精度の結果を得ることができる手法です。この方法を用いて、非常に多くの粗骨材を考慮して複雑な内部構造をモデル化し、高い精度でコンクリート内部の3次元破壊挙動を再現することができました。
関連リンク
(2018年6月15日)